十六夜の庭について
-朽ちてなお、美しくあれ-
満月を過ぎ、わずかに欠けた十六夜の月。
満ちたあとの静かな余韻。
花もまた咲き誇る瞬間だけが
美しいのではありません。
時を重ねるなかでこそ、
その奥に宿る強さがあらわれます。
十六夜の庭では
草花をガラスの瓶に閉じ込め
ハーバリウムとして「咲こうとしたその瞬間」を
残しています。
誰かに満たしてもらうためではなく、
自分の時間のそばに置く花。
ふと疲れた夜、
そばにある一本。
欠けていくからこそ、
光はやわらかく深くなる。
その静けさを
暮らしのそばに。
Kyoko Otani