朽ちてなお、美しくあれ。
終焉に宿る静謐の美。
それは、ただの終わりではなく
枯れゆくという営みそのものが、
ひとつの美しさ。
その刹那にこそ、静かなる力や
言葉にできない想いが宿っている。
ドライフラワーは、枯れた花ではない。
今まさに咲こうとしたその瞬間を、
そっと閉じ込めた命のかたち。
そこには、終わりのない美しさが
広がっている。
枯れゆくまでの愛おしさも、哀しさも、
すべてがこの小さな花に結晶している。
私たちが追い求めるのは、
永遠ではない美しさ。
十六夜の庭
Kyoko Otani